「ははっ、心菜のリアクションって相変わらずおもしれ~」



あたしを見下ろしながらケラケラと笑っているのは怜央くんだった。


彼の手にはジュースが握られていて、それはあたしの頬に押し当てられている。


なんだ……ジュースだったのか。


冷たさの元を理解してホッとしたのもつかの間、さっきの女の子たちの会話を思い出し、その笑顔に胸が苦しくなる。


怜央くんは、あたしのせいで……。


小説に書いたことが本当になるくらい。


あたしとつき合ったことで、怜央くんのツキが悪くなる…なんていう可能性がないとも思えない。



「つーか、捜したんだけど?」



怜央くんは、少し不満そうに唇を尖らせる。



「あ、ごめんね……」