────と。


職員室で、怜央くんが顧問の先生に詰め寄っていた姿を思い出す。


練習をさぼったわけでもないし、実力が落ちたわけでもない。


理不尽だって凪咲ちゃんは言っていた。


だったら……やっぱりあたしとつき合ったことで、怜央くんのツキが本当に落ちたの……?


凪咲ちゃんと大和くんだって、今まで喧嘩一つしたことなかった。



「……っ」



じゃあ……やっぱり、あたし……?


あたしが怜央くんとつき合い始めたのをきっかけに、周りの環境が悪い方へ変わった……?


考えれば考えるほど、あたしのせいに思えて胸が苦しい。


どうしよう……。



「ひゃ……っ!」



悶々と考えていたあたしの頬に、突然氷のような冷たさを感じて。


思わず変な声を出してしまった。


な、なに……?