「そういえばさー、大和くんの彼氏って、宮内さんの友達なんだよね。ってことはやっぱりアレだよ」
「なになにー?」
えっ……。
ここで自分の名前が出てくるとは思わず心臓がヒヤリとした。
アレって、なんだろう。
心臓が、静かに音を立て始める。
そして、あたしも会話に参加しているかのように耳を澄ませた。
「怜央くん、宮内さんとつき合いだしたでしょ?」
「うんうん」
「怜央くんは最近部活で干されちゃってるし、大和くんと彼女もゴタゴタしてるし、それって、全部宮内さんがツキを下げてるってことだよ!」
「なるほど~。あの子と怜央くんがつき合い始めてから、あの子に関わる人のツキが下がってんだね~」
「そうそう。なのに本人だけは怜央くんとつき合えててラッキーっていう」
「きゃはははっ……なんだかね~。あ、やばっ!」
そこで視線を横に流した彼女が、あたしに気づいた。
「え?……あっ!」



