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「最近怜央くん試合出ないよねー」



廊下ですれ違いざま耳にしたふたり組の女の子の声に、ぴくっと反応する。


窓の外を向いて話しているふたりは、彼女のあたしが今ここにいるなんてことには全く気付いてないんだろう。


立ち聞きはよくないけど、気になって耳を傾けてしまう。



「ほーんと、何のために見に行ってるかわかんないよー」



彼女たちはサッカー部の試合を見に行っているようで、不満そうに口を尖らす。


怜央くんが試合に出ないことは、本人だけじゃなくファンの女の子たちにも寂しい思いをさせてしまっているんだ。


あたしだって、試合を見に行けなくて寂しいんだから、そうか。



「そういえばさー、大和くんがマネジャーの子とどうのこうのってものあったじゃん?」


「ああ、知ってる!合宿でふたりが同じベッドで寝てた写真が出回ったってやつね!」