「あー、大和は運命の人じゃないのかなー」
いきなり顔を上げて天井を仰いだのは、涙がこぼれないように、かもしれない。
「あたしだって、怜央くんが運命の人かなんてわかんない」
「またまたー。心菜と怜央くんは超お似合いだよ」
それを言うなら、誰に聞いても凪咲ちゃんと大和くんだろうに。
どこまで深く突っ込んでいいのかもわからず。
「なーんて、運命の人なんて本当はどこにもいないのかもね」
明るく言っているけど、本当の心の内はわからない。
長く付き合っているからこそのすれ違いもあるだろう。
けれど、凪咲ちゃんが明るく言うからあたしも笑った。
「ね、」
「生まれ変わったら、また心菜と親友になりたいけど、大和とつき合いたいかって言ったら……微妙だな」
肩をすくめてニコッと頬を上げるその仕草が痛々しくて……
「あたしも生まれ変わっても凪咲ちゃんと親友になりたい!」
ポジティブな言葉だけを拾い、笑顔を見せた。



