「はーーー」
あたしの隣で、凪咲ちゃんが大きなため息を吐く。
最近、凪咲ちゃんはため息が増えた。
理由は大和くんとのことだろう。
軽い言い合いを目にしてからというもの、明らかにふたりの中は良好とはいえない。
ギスギスした空気が漂っていて、あたしもそのことにどう触れていいのかわからなくて少し困っていた。
でもこんなにもあからさまにため息をつかれて、突っ込まないのもおかしいと思い。
「どうかしたの……?」
このため息の原因は大和くんとのことだろうと思いながら、問いかけた。
「なーんかさ、つき合うって大変だよねーって思って」
……やっぱり。
凪咲ちゃんの頭の中は、四六時中大和くんのことでいっぱいなんだ。
大和くんを嫌いになったのではなく、こうなってしまったことに胸を痛め気をもんでいるのだ。



