どうか、君の笑顔にもう一度逢えますように。



わわっ……!


一気に密着する体に、思わず息を止めてしまう。



「じゃあ行くよ」



涼しい声を合図に、ゆっくりと漕がれるペダル。


あああ……どうしよう。


男の子に密着するのなんて、生まれて初めてだし……。


どういうふうに息していいかわからない


あたしはもうプチパニック。


そんなあたしの気持ちを知ってか知らずか、頬を切る風は穏やかで。

見慣れた景色が、風と共にゆるやかに去っていく。


手の痛みなんてどこかへ吹っ飛び、あたしはひたすらにドキドキしていた。