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その日の授業が終わり帰り支度をしていると、目の前に影ができた。


どうしてか、それが怜央くんだなんて自信の中、パッと笑顔に花を咲かせて顔をあげると。


軽く苦笑いをした藤谷さんがいた。



「あ……」



あたしってば、恥ずかしい。


怜央くんだと思って笑顔なんて作って……。



「あたしでごめんね？」



嘲笑するような敵意むき出しのその口調に、今すぐ逃げ出したい衝動にかられる。


誰の視線が一番痛いって、それは藤谷さん。


なんでもズバズバ言ってくる藤谷さんだから、きっと何か言われるかもしれないと思っていたし、こんな言い方からして楽しい話なわけがない。



「宮内さんてさ、やっぱり怜央くんのこと好きだったんだね」



……っ、思った通りだ。


体に緊張が走る。


うまく、この場をやり切らなきゃ……。