夏休み明けの席替えで、怜央くんとは少し離れてしまった。
なのに、怜央くんはまたすみれちゃんと隣だった。
すみれちゃんは、怜央くんへの気持ちを諦めたわけではなさそうだった。
告白しても気まずくなることなく、変わらず積極的に話しかけている。
すみれちゃんだって、あたしと怜央くんがつき合っているのを知っているはずなんだけど。
……むしろ、あたし相手だから余裕だと思っているのかな。
すみれちゃんと怜央くんが話しているの見るたびに、心がモヤモヤしてしまうあたしは、心が狭いのかな……。
もう、小説は書いていない。
あたしと怜央くんがつき合うという妄想が現実になった今、続きを書くのが怖くなってしまったのだ。
もし、不思議な力が働いていて、未来を自由に操作できるとしても。
これからの未来はあたしたち二人で作っていきたいから……なんてね。



