その反面、嬉しいことばかりでもない。
「えーどれどれ?」
「マジで!?納得できるような子だったら諦めつくのにさ~」
まただ……。
夏休みが明けた瞬間、あたしと怜央くんのことは瞬く間に噂になった。
サッカー部の試合を見に行ったことで徐々に知れ渡ったそれは、学校が再開したことで、伝言ゲームのようにして一気に広がった。
大和くんと凪咲ちゃんがつき合ったときも、校内でかなり噂になったけれど。
『お似合いのふたりだよね~』
『凪咲ちゃんならしょうがないよね。勝ち目なんてないもん』
絶賛の嵐。
凪咲ちゃんの友達として、あたしも鼻が高くて嬉しかった。
こんな風に周りから思われるなんて、幸せだろうな、あたしもそんな風になれたらいいな、なんて希望を抱いた。
けれど……。



