それに、"女の子"って。
女の子には間違いないけど、不意打ちな女の子扱いに戸惑いが隠せない。
女の子扱いなんてされたことがないから。。
これだけのイケメンだし、さぞかし女の子の扱いに慣れているんだろう。
そうは思っても、今は自分だけに向けられた言葉。
イヤでもドキドキしてしまう。
「学校まで送っていくから、乗って?」
彼は自転車にまたがると、荷台を指した。
あたしが自転車に?
うしろに乗るの?
「そ、それはいいですっ!」
もう学校は見えてる距離。
歩いてもすぐに着く。
「遠慮しないでいいから」
キョトンとするあたしに、彼はあたしが自転車に乗りやすいように、少し斜めに傾けたまま待ってくれている。
さすがにそんなことまでしてもらわなくても大丈夫なんだけどな。
そう思いながら突っ立っていると、せかされる。
「ほら、早く」
……これって、逆に断ったら失礼なのかもしれない。
迷ったけれど。彼の善意を無駄にするのも悪くて。
「……じゃあ……失礼します」
ドキドキしながら、荷台にお尻をのせた。



