……トクントクン……。
すると、怜央くんの手が伸びてきて、あたしの髪にそっと触れた。
そのまま怜央くんの顔が近づいてきたので、あたしは反射的にぎゅっと目をつむる。
と、同時に唇に柔らかくて暖かいものが触れた。
……っ。
これって……キスだよね……?
思わず目を開くと、優しい目であたしを見つめる怜央くん。
どうしよう。
……怜央くんと……キスしちゃった。
バクバクと高鳴る鼓動。
ここが暗闇でよかった。
じゃなければ、あたしの顔が真っ赤なことがバレてしまっていたはずだから。
顔を正面に戻した怜央くんに倣ってあたしも天を見上げれば、キスの余韻を演出するかのように流れ星が一筋流れた。
怜央くんの指があたしの指を探り当て、そのまま指を絡ませる。
あたしと怜央くんは手をつないだまま、満天の星空を見上げていた。



