ああっ……。
肘が思いっきり自転車のかごにぶつかり、痺れるような痛さが襲う。
「ごめんっ、大丈夫!?」
痛さでうずくまったあたしに掛かる声。
肘をさすりながら見上げれば。
なんとかギリギリ斜めになったままの自転車にまたがり、不安そうに見つめる男の子がいた。
瞬間、胸がドクンッと大きな音を立てる。
だって、その男の子がものすごくカッコよかったから。
少し茶色く染めた髪は、無造作にセットされていて。
目元は涼しげで、鼻はスッと高く、中性的でキレイな顔立ち。
パーツのどれもが整っていて、彼の周りに眩しいオーラが見えるほど。
制服を見て、同じ学校の生徒だと気付く。