そこは、プラネタリウムの入り口だった。


驚いて怜央くんの顔を見上げると、少し首をかしげて訊ねてくる。



「心菜、星見るの好き?」



そういえば、このショッピングセンターの西側の天井がドーム型になっていることを思いだした。


外から見た時に不思議な形だなとは思っていたけれど。


プラネタリウムだったからと知り、納得。



「うん!好きだよ」


「ならよかった」



怜央くんは、白い歯を出してはにかむ。


プラネタリウムなんて、小学校の社会科見学以来。


胸がワクワクした。



「俺さ、小さいころから空見るの好きで、小5の誕生日に天体望遠鏡を買ってもらったんだ」


「すごい!よく見える?」


「見える見える。土星のわっかもちゃんと見えるんだぜ?」



まるで子供の様な瞳。



「今年は金星が地球にすごく近づいているから、でっかく見えるんだ。肉眼でも結構大きく見えるんだよ」



無邪気なその笑顔に、あたしの顔も自然とほころんだ。