どうか、君の笑顔にもう一度逢えますように。



ターゲットど真ん中のあたしは、そのポスターを見て思わず顔がニヤケてしまう。


こういうストリーこそ、憧れシチュエーションがいっぱい詰まっているはず。


まさに妄想の塊。


小説を書くにはすごい参考になりそうだ。



「やっぱ女子ってこーゆーの興味あるんだ?」



ポスターをじっと見ていると、顔を覗き込みながらイジワルく聞いてくる怜央くん。



「……っ、あたしはないよっ……」



やばい。じっくり見すぎてしまった。


慌ててプイっと顔を逸らす。



「はははっ、嘘つかなくてもいいのに」


「う、嘘じゃないしっ」



本当に嘘じゃないんだけど……小説を書いているなんてことは言えないし、そのポスターにうらめしい視線を投げながら歩き出したとき。