どうか、君の笑顔にもう一度逢えますように。



「……いや、その逆。すげえ可愛い……」



ボッ。


その一言であたしの頭はまた沸騰し、混みあった電車の中でお互い真っ赤になっているあたしたちは、少しおかしな人になってしまった。




駅を降りると、そこからショッピングモールまでは遊歩道でつながっていた。


家族連れやカップルなど、大勢の人でにぎわっている。



「映画見るんだよな」


「うん」



あたしたちが事前に決めていたのは、アクションものの洋画。


人気作の第2弾で、偶然にもお互い第1弾を見ていたから即決したのだ。


チケットを買うために並ぼうとすると。



「こっちじゃなくていいの?」



怜央くんが指でさしたのは、イケメン二人に女の子が挟まれているポスター。


それは、今旬のキャストが勢ぞろいした学園ラブコメだ。


【俺以外見えなくしてやるよ】


なんていう煽りのキャッチが胸をくすぐる。