「……そんなに見られるとハズイんだけど」
怜央くんが目を逸らしてポツリとつぶやいた。
「わ、ごめん……」
耐えられなくなるほど、じっと見すぎていたみたい。
「てか、俺はどこ見ていいかわかんないんだけどな」
「え?」
照れたように口元を押さえる怜央くんの顔は、ほんのり赤く染まっていた。
「今日の心菜、その……いつもと雰囲気が違うから」
打ち上げのときは楽な格好がいいだろうと、パンツスタイルで行ったけれど、今日はデートだからオシャレをしてきた。
淡い水色のワンピースに、白のカーデガンを羽織って。
いつもは巻くだけの髪をハーフアップにして、アレンジも加えてみた。
「へ、ヘンかな……」
確かに頑張ってきた感が半端ない。
初デートだからと、気合いを入れすぎたかもしれない。



