凪咲ちゃんの言う通り、映画館やボウリングができる施設も併設されていて、この夏一番のオススメスポットになっている。
「凪咲ちゃんありがとう!」
『健闘を祈ってるよ~』
凪咲ちゃんのアドバイスのおかげで、行先はショッピングモールに決まった。
デート当日。
――ズキッ。
「いたいっ……」
まただ。
こめかみを突き刺すような痛みに、あたしは思わずその場にしゃがんだ。
こんな日に頭が痛くなるなんて……。
時々起こるこの頭痛の原因は、いまだよくわからない。
なんとなくただごとじゃない気がして、お母さんにも言えなかった。
病院に行って、重大な病気でも発覚したら困る。
手遅れになるよりいいかもしれないけど、怖い気持ちが強いのだ。
とりあえず頭痛薬を飲んで、あたしは家を出た。
待ち合わせは電車の中。
家が離れているからどこかで待ち合わせも難しい。
だからといって現地集合も、寂しい。
ということで、怜央くんが乗ってくる電車にあたしが乗りこむことにしたのだ。



