目も鼻も口も。
今人気の若手俳優さんたちと並んだって、負けないと思うほどに。
ざっくりいって、イケメンすぎる。
髪の毛は少し茶色くて、無造作に仕上げた重めの前髪が今っぽい。
なおかつ、爽やかで柔らかい雰囲気が漂っている。
「あの……俺の顔になにかついてる?」
「へっ……」
あまりに見すぎていたせいで、不審がられてしまったけど。
「い、いえっ……」
ついてるどころか、思わず吸い込まれそうになる透明感のある肌は、あたしよりもキレイなんじゃないだろうか。
「あ、血が出てる!」
「えっ?」
彼が落とした視線の先に目をやると、あたしがすりむいた手のひらからは、砂と一緒に血が滲んで見えた。



