うわああ……なにこのカオスな現場は。
クラス別に時間を変えるとか、先生も策を考えてくれたらいいのに……。
「あれ、凪咲ちゃんっ!?」
人波にもまれているうちに、凪咲ちゃんまで見失ってしまった。
そうしている間にも。
「うわっ……」
ぎゅうぎゅうと押される体。
あたしだって早く済ませたいのに、横から後ろから押し入られて弾き飛ばされ、なかなか販売員さんの前にたどり着けない。
ずっとその場で立ち往生。
これじゃあいつまでたっても買えないよ。
どうしよう……。
「……!?」
すると、あたしの手が冷たい誰かの手で握られた。
えっ、と手の元を見上げると。
「怜央くんっ!?」
なんとそれは怜央くんだった。
ビックリするあたしとは対照的に、ニコッと微笑んだ怜央くんは、