「わっ……!」



抱きしめられて、心臓が止まりそうになった。



「好き、ほんとに好き」



耳元をくすぐるような甘い言葉に、みるみるうちに体温が上昇していく。



「……っ、は、恥ずかしい」



怜央くんって、そういうことを真正面から言うタイプなの?


どれだけ告白されてもつき合わないから、むしろ恋愛に興味がないくらいだと思っていたのに。



「心菜のこと、大切にするから」


「……ありがとう」



これは夢じゃないよね?


小説の中の妄想じゃないよね?


あたしは怜央くんの胸の中で、ただひたすら幸せをかみしめていた。