「違うもん、ほんとだもん!」
「じゃあ、俺の彼女になってくれるの?」
「……っ」
意地悪な口調の流れでさらりと言われたけど。
なんだか話がすごい展開になっているのでは、と思う。
あたしが怜央くんの彼女なんて。
「そ、それは……」
いいのかな。
あたしなんかが怜央くんの彼女になっても。
「ごめん、調子に乗った。……俺の彼女になってください」
言い直し、柔らかく微笑む怜央くん。
そして、右手を前に差し出した。
……そんなの……答えなんて決まってる。
「こ、こちらこそ……よろしく……お願いしますっ……」
緊張しながらその手をそっと掴めば。
「はーーやべえ、緊張したーーー」
瞬間、あたしをふわりと包み込んだもの。
それは、怜央くんの体───。



