「あれは……個人的なことだから話していいのか微妙だけど、いまは身の潔白に必死だから話す」
真剣な顔をした彼は、その理由を説明してくれた。
すみれちゃんは、最近ストーカーらしき男に後をつけられているらしく。
一緒に委員の仕事をしているときに相談されていたらしい。
なにかあったら助けを求めていいよと怜央くんは言い、あの日、今まさにヘンな男に後をつけられていると電話が来たのだ。
怜央くんが駆け付けると、本当に怪しい男が近くをうろうろしていて。
相手を巻きながら、家まですみれちゃんを送っていった。
それが、ことの顛末。
「……そんなことが……」
すみれちゃんは、相当こわい思いをしていたのかもしれない。
嫉妬していた自分が、恥ずかしく思えた。



