電車を降りてからノンストップで走り続けていると、やっと校門が見えてきた。
正面に見える時計は8時半を示している。
クラス発表でにぎわっているはずの昇降口にも人っ子ひとり見当たらない。
うわぁぁぁぁ……完璧に遅刻だ!
始業式から遅刻なんて、幸先悪すぎる。
ここまで必死で走ってきたけど、一気に気持ちが切れて足が止まってしまった。
走った意味、なかったよね……。
でも、最後の力を振り絞って、もう一度駆け出したときーーー
キィィィィーーーーー!!!!!
「きゃっ……!」
角から自転車がものすごいスピードで飛び出してきたのだ。
──危ないっ……!
あたしが止まったのと相手がよけたタイミングがよかったのか、ぶつかるのは避けられたけど……。
びっくりして、あたしはその場にしりもちをついてしまった。
「いたたたた……」