どうか、君の笑顔にもう一度逢えますように。



ゴクリ、と唾をのむ。


なにかあっただろうか。


見られて、あたしが大和くんを好きだと思わせてしまう出来事が。



「その……泣いてただろ……?大和の胸の中で……」



言いにくそうに、怜央くんは言葉を落とした。


ハッとした。


覚えはある。


でもそれは、怜央くんがすみれちゃんに告白されてOKしてしまったのがつらくて……。


あの場に居たのが、大和くんでなくても、同じような形になっていたはず。



「えっ……それはっ……」



激しく動揺した。


怜央くんに見られていたなんて。



「……まあ……凪咲ちゃんには言えねえだろうし……心菜も苦しい思いしてんのかなって……」



どうしよう。



「最近元気ねえみたいだし……少しでも楽しんでもらえたらって、今日も声かけてみたんだ」



怜央くん、すごい勘違いをしている……。