どうか、君の笑顔にもう一度逢えますように。



「余計なお世話かもしれないけど、吐き出したらちょっとは軽くなることもあるだろうし。心菜の性格なら、自分からは絶対に話さない気がしたから。敢えて言わせてもらった」



真剣な目で訴える怜央くんは、あたしの悩みをなんだと思ってる?



「な、何もないよっ」



言えるわけない。


言い捨てるように呟いて、足を速めると


――グイッ。


大きな手があたしの手を掴んだ。



「ちょっと話そうよ」


「……っ」



グッと唇をかみしめて、怜央くんを見つめ返す。


どうして?


こんなことして……あたしはつらくなるだけなのに……。


それでも。


嫌だと言っても、帰してくれそうにない怜央くんの勢いに負けて。


あたしたちは、駅前広場のベンチに並んで腰かけた。


土曜の夜だからか、人気は少ない。