「心菜も一次会で解散だったんだ」
歩くあたしの歩幅に合わせて怜央くんが肩を並べる。
もしかして、このまま一緒に駅まで行くのかな。
「う、うん……。怜央くんは二次会行かないの?」
「俺?行かねえよ」
「そうなんだ。怜央くん行かなったら、みんな寂しがると思うのに」
「なんだそれ?てか俺、あした練習試合あるから遅くまで遊んでたら明日体動かせないし」
なるほど。
「俺、最近スタメンで使ってもらえてんだ。競争激しいけど、俺なりに頑張ってるし、それを認めてもらえて嬉しい」
傲慢でなく、謙虚。
頑張っているから頑張ってると胸を張って言えるんだ。
そんな怜央くんを素直にカッコいいと思う。
「そうなんだ、よかったね」
部活でサッカーをしているところを何度か見かけたことがあるけど、それはもうカッコよかった。
練習試合は、怜央くん目当ての女の子できっと溢れているんだろう。



