公開設定のページを開いて削除ボタンを押す。
【本当に削除しますか?】
再びメッセージが表示される。
これを消して、続きももう書かなければ、惨めな思いもしなくてすむ。
それを押そうとしたとき───
「心菜!」
背後からあたしを呼ぶ声が聞こえた。
……っ!!
振り返ってそこに見えた姿に驚愕した。
あたしに向かって走ってくるのは、怜央くんだったから。
「怜央くん……っ!?」
「よっ!」
暗がりの中、怜央くんの顔が輝いて見えた。
トクンッ。
すみれちゃんの彼氏なのに……こんなにも胸がときめいて……嬉しいって思ってしまう。
……駄目だよ。
もう叶わない恋なのに……。
こんなの、自分が苦しくなるだけなのに……。



