二次会はカラオケに決まったけれど、あたしはここで帰ることにした。
もともと一次会だけのつもりだったし、あたしは所詮……すみれちゃんの代理だから。
「心菜ちゃんほんとに行かないの?」
「うん。早く帰らなきゃいけなくて」
そんなの、嘘だけど。
「そっかあ、残念。気をつけて帰ってね!」
「うん、みんなは楽しんでね!」
「たまには遊んだりしようね。じゃあね、ばいばい!」
「ばいばーい」
同じテーブルを囲んでいた子はみんなカラオケに行くらしい。
笑顔で手を振ってくれた彼女たちに、手を振り返してあたしは駅への道を急いだ。
怜央くんはカラオケ、行くのかな。
行くよね。
ムードメーカ―だし、誰もが怜央くんの参加を望んでいると思うし。



