どうか、君の笑顔にもう一度逢えますように。



なんだか、ものすごく寂しそうな瞳に見えたのは、あたしの勘違い?



「どうか、したの?」



あたしから声を掛けたのは、とても言いだしにくそうな雰囲気が出ていたから。


きっと、ここから去ってしまう。だからこそ。



「悪い、急用ができちまった……」


「そっ……か……」



まただ。


小説に書いたように、思うような展開になったところで、暗雲が立ち込める。


同じようで、同じにはならない。



「送ってやるっつったのに……」


「あたしは大丈夫だから、行って?」


「おう。暗いし、気を付けて帰れよ」


「うん。ありがとう」



あたしは後ろ髪をひかれる思いで、去っていく怜央くんを見送った。