なんだか、ものすごく寂しそうな瞳に見えたのは、あたしの勘違い?
「どうか、したの?」
あたしから声を掛けたのは、とても言いだしにくそうな雰囲気が出ていたから。
きっと、ここから去ってしまう。だからこそ。
「悪い、急用ができちまった……」
「そっ……か……」
まただ。
小説に書いたように、思うような展開になったところで、暗雲が立ち込める。
同じようで、同じにはならない。
「送ってやるっつったのに……」
「あたしは大丈夫だから、行って?」
「おう。暗いし、気を付けて帰れよ」
「うん。ありがとう」
あたしは後ろ髪をひかれる思いで、去っていく怜央くんを見送った。



