本当は面倒なはずなのに、笑顔でそう言ってくれる怜央くんの優しさはどれだけ神がかっているんだろう。
「あー、お腹いっぱい。夕飯食べれないかも」
「俺は全然余裕」
「ほんとに?あれだけ食べたのに?」
「でも財布の中身は余裕なくなったけどな」
確かに。ケーキは安いものじゃない。
高校生のあたしたちにはちょっと痛い出費だ。
「日頃頑張ってるご褒美だな」
「ははっ、怜央くんて面白いね」
ご褒美、だなんて。
まるで女子みたいな発言に笑っていると、ふいに怜央くんが足を止めた。
「ごめん、電話だ」
ポケットから取り出したのはスマホ。
闇の中でバイブ音とともにブルーのライトが点滅していた。



