ほっ。

怪しまれないでよかった。


凪咲ちゃんはさっぱりしていて、色々根に持たないのもすごくいいところなのだ。



「でも、ほんとにその気があるなら、いくらでも紹介するからね?」



凪咲ちゃんはいつもそう言ってくれる。


あたしと違って人脈も広いし、大和くんを通じて男の子の友達も多い。


でもね。

やっぱり好きな人とは、自然に出会いたいんだ。


小説にも書いたように、運命の出会いを待ってるのも嘘じゃない。


そう思うあたしは、やっぱり夢見る夢子ちゃんなのかな。



「じゃ、帰ろっか」


「うん」



クラスメイト達の、あの子大丈夫?みたいな視線はまだ痛いけど……。


今日でこのクラスも解散ということが、せめてもの救いだった。