「美味しいっ!」
口の端にクリームをつけて目を輝かせる凪咲ちゃんを微笑ましく眺めていると、
「心菜も怜央くんのもらったら?」
とんでもないことを言うから慌てた。
「えっ!?あたしはいいって……!」
あたしと凪咲ちゃんはちがうんだから!
凪咲ちゃんは大和くんの彼女だからいいけど、あたしが怜央くんのケーキを一口もらうなんてあり得ない!
一口ちょうだい……が駄目な人だっているんだから!
すると、3つのお皿がスッとあたしの前に差し出される。
「いいよ。好きなだけ取って」
整いすぎた顔で、微笑まれて心臓がバクンッと鳴った。
「だ、大丈夫です……」
あたし、そんなに物欲しそうにしてたかな……。
「遠慮すんなって。ほら」
「……」
「ほーら」
怜央くんは、さらにお皿をずいっと寄せてくる。



