「見たところで、向こうにお断りされるだけだよ……」
出来ることならあたしだって彼氏候補にしたい。
けれど、そんな上から目線なものじゃなくて、これはただの片想い。
「もー、心菜のことだから、どうせあたしなんかがとか思ってるんでしょ」
「……」
ズバリ言い当てられて、あたしは言いよどむ。
付き合いが1年になる凪咲ちゃんには、すっかりあたしのことはお見通しのようだ。
「超イケメン芸能人だってひとりの人間で、この子だっ!て心にビビッときた子に恋するんだよ?
怜央くんだって同じ。どんなに高嶺の花だって、恋に落ちるときは落ちるの!」
「……」
「てか、あたしにはわかるよ!」
力説する凪咲ちゃんの言いたいことがイマイチつかめない。