すると、
「心菜」
怜央くんがあたしの名前を呼んだ。
え……なに?
クラスメイトの視線も一斉にあたしに向けられる。
「お前もこっち来いよ」
何を思ったのか、怜央くんはそう言って手招きをしてくる。
え、あたし?どうして?
突然の指名。わけが分からない。
「ほら、心菜行きな」
そんな中、凪咲ちゃんから背中を押されながらあたしは前へ。
キョトンとしながら怜央くんの近くまで行くと。
「もうひとり、心菜も3人目の実行委員として頑張った」
れ、怜央くん!?
みんなの前で大声でそう言い放つから、びっくりする。
「昨日も遅くまでテント張りとか、ライン引きとか、汗だくになりながら頑張ってた」
……見てて、くれたの?
思わず怜央くんを見上げる。
「そういえば、徒競走でも係やってたよな?俺、心菜ちゃんに誘導されたし」
その声は、徒競走で1位を取った大和くん。