どうか、君の笑顔にもう一度逢えますように。



もう……びっくりした。

からかわれただけか。


そもそも、怜央くんが他の男の子に対してヤキモチをやく必要なんてないよね。


ふっと肩の力が抜けて、あたしの頬も上がったとき───



「一生懸命仕事してた証拠だよな」



次の瞬間、優しい瞳に変わった。



ドクンッ。


穏やかに、あたしをまっすぐ見つめる瞳……。


だから怜央くんのその表情は、いちいち破壊力があって心臓が持たない。



「1位とれたのさ、心菜のおかげだよ」


「えっ、あたし……?」


「俺さ、最後のコーナー曲がるとき足がもつれそうになったんだ」


「そうなの?」



そんな風に見えなかった。

最後に余力を残しての、予定通りの1位だと思っていた。



「そしたらさ、直線に入ったときに心菜が見えて」


「え……」


「1位のゼッケンつけた心菜が目に入って、1位でゴールしたら心菜んとこに行けるって思ったら、また足が動いたんだ。だからさ、1位とれたのは心菜のおかげ」