でも、男の子からしたら嫌だったのかもしれない。
もしかして、怜央くんも嫌だったのかも。少し心配になりながら見上げると。
「なんかムカついた」
へっ?
ムカついたって、あたしに?
やだ、あたし今怒られてるのかな……。
ムカつかれるほど嫌だったなんて、ちょっとショックだな。
自分の仕事を否定されたようで、自然と顔が下向きになったとき。
「触られてる男たちに」
「……っ」
思わぬことを言われ、パッと顔が上がったと同時に心臓がバクンッと跳ねた。
心なしか、怜央くんの顔がほんのり赤い気がする。
それって、それって……。
ヤキモチをやいたってこと?
「なーんてな、ウソだよウソ!」
すると、怜央くんは表情を崩してははっと笑った。



