そのことに関しては謝るしかなく、素直にそう口にすると、藤谷さんはさらにずいっとあたしに一歩迫ってきた。
「ねえ、宮内さんてもしかして───」
「ごめんお待たせっ!」
そこへ割り込むように走って来たのはすみれちゃんだった。
どうやらすぐそばにあるトイレへ行っていたようで、藤谷さんはすみれちゃんを待っていた様子。
それで彼女のスマホを預かっていたのなら、それも納得。
ちらっと藤谷さんの横顔を見たすみれちゃんは察したのか、
「心菜ちゃんごめんねっ、あたし、自分の仕事忘れちゃって」
申し訳なさそうな顔をして、頭をさげた。
てっきり、彼女にも文句を言われると思っていたから少し拍子抜け。
「う、ううん……あたしの方こそ……。一緒の係の子が呼びにきちゃって、それで……」



