どうか、君の笑顔にもう一度逢えますように。



よく見ると、それはすみれちゃんが愛用しているピンクのケースに入ったスマホだとわかった。


おそらく、怜央くんをずっと追っていたら、こんな写真も撮れてしまったんだろう。


なにも弁解の余地はなくて、口をつぐむ。



「これさ、すみれの仕事だったんじゃないの?」


「あ……それは……」



どうしよう。


語彙もきつく、完全に怒っている様子。



「なんですみれの仕事奪って、怜央くんとイチャイチャしてんの?」


「……っ」



イチャイチャって。


そんなつもりは全くないのに思わぬことを言われ、言葉を失う。


でも。すみれちゃんの想いを知ってる藤谷さんは、怜央くんとすみれちゃんが本来こうなれるはずのところ、あたしのせいで……と思ってるのかもしれない。



「ご、こめんなさい……」