ちょうどそのときレースがスタートした。
さすが本気の勝負だけあって、全校生徒が一体となって盛り上がる。
歓声はものすごい。
でも、あたしはレースを楽しむ余裕はなかった。
1位と2位が僅差だったりする場合もあるし、しっかり見ておかないといけない。
順位をめぐってケンカに発展する……なんてこともあるみたいだから。
誘導係は結構プレッシャーなのだ、1位はなおさら。
順調に仕事をこなしていくと、レースは1年生から2年生へと変わった。
そして。
次、怜央くんだ……。
スタートラインに立つ水色のハチマキの彼を見て、胸がドクドクと早くなる。
怜央くんのレース、しっかり目に焼き付けたいけど。
あたしは1位の選手を見間違わずに誘導することだけを考えないと。



