「最近宙くん、ぼっーとしてること多いね?」 「まあね」 ふと俺の隣にいた、ある女子に言われたこと。 他の女子と話していても、いつも必ず視界の中には莉世がいる。 授業を聞いていても、何か別のことをしていても、考えるのはいつも莉世のこと。 今までこんなに1人の女子のことを常に考えてるなんて、ありえなかった。 彼女がいたのは事実だが、ここまで俺の頭を占めてることなんてなかった。 ああ、そうか。 心の中にストンと落ちてきたそれに、俺はふっと笑った。 ────俺は、莉世のことが好きなんだ。