このままでいいはずがない。


やっと……やっと、ずっと欲しかった言葉が莉世から聞けたのに。


やっと、過去の…全てのことを話してくれたのに。

こんなにも距離が離れて、すれ違っているなんて。



話す前は、俺の反応を気にしていたみたいだったけど……

話した後の今はたぶん…莉香ちゃんを、実の姉の命を奪ってしまった自分が、俺の隣にいていいはずがない。


優しい莉世のことだから、きっと、そう思っているんだろうな……


素直じゃない莉世だけど、その分人の気持ちを汲み取って、先へ先へと行動しようとする。


莉世のいい所だし、好きな部分ではあるけど、今は違う。


俺はその話を聞いたところで、莉世への気持ちは変わらなかったし、寧ろ、より傍で支えたいと思った。


愛おしいと思った。


もっと早く莉世と出会っていれば、少しでもその苦しみや悲しみを、一緒に背負うことができたのにって。


大好きだからこそ、離れたい。

好きだからこそ、離れなきゃいけない。


莉世はそう思ってるのかもしれないけど、俺はそうは思わない。


大好きだからこそ、その人を支えたい。

好きだからこそ、ずっとその人の傍にいたいと思う。


俺は、莉世と出会った時からずっと、莉世のことしか見えてないんだよ……


莉世しか考えられないんだよ。



莉世……


頼むから、また隣で笑ってくれよ……