ポツポツ───────。


「うわっ、降ってきた!!」


「やばっ、傘ないっ!!」


最初はゆっくり歩いていたけれど、気づけば結構土砂降りになっていて。


私も莉香もダッシュで家に向かっていた。


「やばいっ、もう信号変わる!!」


見れば横断歩道の信号は点滅して、赤へと変わろうとしていた。


とにかく早く帰らなきゃ。

それしか頭になかった私は気づかなかった。


すぐ傍に、大きな黒い影が迫っていたことに。



「莉世っ!!!
危ないっ!!!」


「え………」











一瞬だった。












グイッと後ろから腕を引かれた瞬間。







ドンッ!!!!!!!


何かと何かがぶつかった、耳を塞ぎたくなるような大きな音。