そして話は今日……デートへと遡る。


「蒼井、近い!!」


「いいじゃん。
俺は莉世と一時も離れたくないの」


「……180センチ越えの男がなに言ってるの?」


駄々っ子かあんたは!!


今は落ち合ってからやってきたお店の前で並んでいる最中。

待っているだけなのに、やたらとひっついてこようとする蒼井がウザすぎる。


ただでさえ、今日は土曜日で学校もお休み。


1日寝てようかと思いきや、蒼井とデートなんて。

まあ、なんでも聞くって言った自分が悪いんだけどさ……


「今日の莉世、可愛いすぎて離せない」


「なっ……」


「さっきから、道行く男がみんな、莉世のこと見てる。あー、マジで殺りたい」


あだ名、プレイボーイじゃなくてサイコパス野郎に変更かな?


ここに来るまでも、今も、ずっとそんなこと言ってて、頭のネジが飛んでるのかと本気で思う。


じ──っ…


見られてる。


「…………」


じ──っ……


めちゃめちゃ視線感じるんですけど……


ぎゅっと腰に腕を回され、横から見つめてくる。


「……さっきからなんなの?
私の顔に、何かついてる?」


そんなにマジマジと見られたら、さすがに恥ずかしくなってくるんだけど……

「いーや?
ただ、可愛いなぁって思っただけ」