私は料理を続けながら、思った。

一ヶ月で人の気持ちは変わる。

私は、海翔がいない事に慣れたけど、もしかして海翔は、前より私を求めてる?

私たち、反対の方向に気持ちが動いてる?



15分後、シャワーを浴びた海翔と、夕食を食べる。

「海翔、仕事、大変?」

「うん。
大阪は今、SEが23人しかいないんだけど、
残業200時間越えが5人いる。
他の奴もみんな100は越えてる。
俺も残業代出ないのに、200近くあるはず。」

「凄いね。まるで地獄じゃない?」

「うん。行く前から分かってたから、覚悟は
してたんだけど、ここまで酷いとは思って
なかった。」

「え!? 知ってたの?」

「うん。最初から、そういう条件での栄転
だったから。」

「なんで?
そんな状況なら、ベテランの課長さんを配置
した方が良かったんじゃないの?」