青色の輝き

「咲久、起こそうとしたんだけど起きてくれなくて。



未央ちゃん、もうしばらく待ってね?」



「うん、いいよいいよ、気にしないで」



未央はそういうと、部屋から出て行ってしまった。




咲久の寝息だけが部屋に響く。




「よし、準備できた。お部屋に戻ろう?咲久はほっといて」



白石はにっこり微笑んで、俺を見る。



ん?



「白石、ほっぺた」



「へ?」



「血が出てる」




俺は白石の頬を見る。




「あー、さっき、咲久の爪が当たったからかな」




白石は持ち上げたものをまた机の上に置き直して、ティッシュに手を伸ばそうとする。



あ、俺、今すごい駄目な思考が浮かんだ。



やばい、変態じゃん。



俺はいけない思考を振り払って白石を見つめる。




「んー、咲久に爪切らせないとなぁ」




白石は鏡の前に移動して、ティッシュで血を拭う。