「ねぇ、二井くん」



「どうした?」



「咲久の勉強見てあげてくれませんか」




白石のそんな言葉で開催されることになった白石の家での勉強会。



俺はちょっとそわそわしてます。



なぜかって?



この間白石の家に白石送った時に見ちゃったんだよ。



門から玄関までがとても遠い豪邸だった。



やばい、本当に緊張する。




「ふ、二井くん?大丈夫?緊張してる?」



「い、いや、そんなことない」





どうやら、俺の目の前にあるどでかい屋敷は、父親の財産らしくて、父親が亡くなった時に一度売り払ったらしいが、


おばあさんが、白石たちのために買い戻したらしい。




「あ、お家では白石って呼ばないでね?


おばあちゃん、だいぶ毛嫌いしちゃってるから」




そりゃそうだろう。



自分の孫に虐待していたやつの名字なんか呼ばれてるのを見られたくないだろうけど。