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「内藤じゃない、俺にしなよ美心」

なんで、セリフの名前。
本名なんだよ、照れるんだけど。

「違うよ、私は内藤くんが好きなんじゃない。
私は……………」

美心のクライマックス。

美心は、その先を言わない。

ざわめく会場。

美心、セリフ。


「私は…薫が好き。
ずっと好きだったよ。
ケンカして離れても、薫が違う人を好きになっても、薫に傷つけられても。

私だけは、薫の味方だよ‼
絶対に、私だけは薫の味方だよ?

薫、好き‼」


美心…………。

劇のクライマックスはない。
俺でもない、内藤でもない。
選んだのは、やっぱり薫。

薫じゃない、違う誰かを背に見ている。
それが、雷なのはすぐにわかった。

拍手喝采。
薫に抱きつく美心に、少しばかりヤキモチを妬いた。



幕は、下りそれでも美心は、薫に抱きついて泣いた。
それが、演技に思えないほど。

「美心、俺ドキドキするんだけど」
美心、そりゃドキドキするよ。
俺でもさあ。
ドキドキするよ。



「美心、次はカップリングだから会場移動!!
美心、衣装変えだから‼
とびきりの衣装だよ‼」

藤が、美心にウインクした。