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私はただ、黎に抱き付いていた。
涙を止めることは出来ないけれど、離れることの方がもっと出来ない。
黒藤さんと白ちゃんは、みおさんと白衣の男性に説明するからと言って、部屋に私と黎を二人きりにして出て行った。
黎も、私を腕の中に置いて離れようとはしなかった。
生きている。私の力が戻っても、血が目覚めても、黎は、この人は生きている。
吸血鬼として、鬼人として、最後の息を吐ききった黎は、もう人間(ひと)だ。
――そして私には、記憶が戻っていた。
過去の記憶総ての中に、妖異はいた。
私の意識が認識していなかっただけで、真紅の周りには人間じゃないものが当たり前のように存在していた。
そして、血が目覚めた私の意識は、それらを意識せずとも認識していたことを思い出させた。
これからは、彼らの姿や声があることが、私にとっての日常になるとわからせてきた。
私はただ、黎に抱き付いていた。
涙を止めることは出来ないけれど、離れることの方がもっと出来ない。
黒藤さんと白ちゃんは、みおさんと白衣の男性に説明するからと言って、部屋に私と黎を二人きりにして出て行った。
黎も、私を腕の中に置いて離れようとはしなかった。
生きている。私の力が戻っても、血が目覚めても、黎は、この人は生きている。
吸血鬼として、鬼人として、最後の息を吐ききった黎は、もう人間(ひと)だ。
――そして私には、記憶が戻っていた。
過去の記憶総ての中に、妖異はいた。
私の意識が認識していなかっただけで、真紅の周りには人間じゃないものが当たり前のように存在していた。
そして、血が目覚めた私の意識は、それらを意識せずとも認識していたことを思い出させた。
これからは、彼らの姿や声があることが、私にとっての日常になるとわからせてきた。



