陽華の吸血鬼①【一人称修正ver.】【完】


「傲慢なのが人だ。手に入れるつもりなら、手にしたものを手放さない覚悟もしておけ。俺は真紅の相談相手にはなれるが、指導者にはなれない。真紅はあくまで小路の人間だからな」

白ちゃんは音もなく立ち上がった。

「黒に話を通して置く。今日より陰陽師として、また退鬼師として、学ぶことは山積みだ」

「うん。がんばる」

今、私の手には海雨の手がある。そして、少し伸ばせばきっと黎にも届く。

『また』、と言った。あの人は。また逢える距離にいてくれるはずだ。

――この手が届くうちに、掴まえて抱きしめる。

「帰りも無炎をつける。それから、これは俺からの提案なんだが、斎陵(せいりょう)学園に転学しないか?」

「……転学って、転校? 私が?」

「斎陵学園は、旧い家の人間が多いんだ。俺や黒としても、真紅が同じ学校にいてくれると色々とやりやすい。場所も遠いというわけでもなし。……考えておいてくれ」